自由ー中場(JIYU-TYUBA)TAKE4

「ザアアアアァッ!」

「ブロロロロロロ。」

「はぁ~っ。ったく、ついてねーなぁ。よりによってこんな大雨の日に買い出しに行かされるとはなあ。つうかそもそも買い出しをジャンケンで決めるっておかしいだろ。何のための管理人なんだよ!な~にが「私は今日は同期の管理人たちと一緒に佐賀県に旅行に行くからお願い♡」だよ!台風来てるって言ってる以上、まともに景色も見れないだろうし、佐賀県ってチョイスも謎だし。(佐賀県民の皆さんごめんなさい。)ったく、スーパーから駐車場行くまでだけで服ビッシャビシャになるしよォ。」

TAKE4

フラグは大体早いうちに回収される

「フッ。そこの青年よ、何をそんなにカリカリしておるのだッピ?」

「ブルゥゥゥゥン、バシャァァァァァッ!(ズブ濡れ)」

「あれ?今何か聞こえたような…気のせいか。」

「オォイ!拙者の声がきこえぬのかぁ!」

フン、今度は車の前に出たッピ。これなら聞き逃すまい。

「拙者は死にましぇ…」

「ジャァァァァァッ、ブシャァァァァァァァッ!(ズブ濡れ二回目)」

水が車で思いっきり跳ねた。

「あれ?今度は黄色くて小さい何かがいたような…まあ気のせいだな。」

「おのれ、拙者を一度でなく二度もグシャグシャのズブ濡れにするとは。かくなる上は…この手はあまり使いたくなかったんだがな。首を洗って待っていろッピ。」

その「黄色くて小さい何か」は車の上に飛び乗った。

「ガチャッ。バタン。」

「ふー、着いた着いた。動管省の目を潜り抜けるためにわざわざ通販も使わずに遠出して買い出しなんてもうまっぴらごめんだぜ。ん?」

「ぴー、ぴー。ぴー、ぴー。」

「黄色くて小さい何か」はぶっ壊れ荘の駐車場にズブ濡れで横たわっていた。

「これってヒヨコ、だよな?いや、ヒヨコっぽい何か…か?なーんか中途半端にかわいいのが妙にイラッとくるけどこんなところで捨てられてるなんてかわいそうだ!」

フッ、最初からこうしておけばよかったッピ。いや待て、中途半端って何だッピ!普通にかわいいだろッピ!

「しゃーねーな、ほらよ。」

「そうそう、そ…って違うだろ!傘が欲しいんじゃなくって拾えってことだよ!何傘だけ置いてその場から立ち去ろうとしてるんだよッピ!」

「え?…ヒヨコが…シャベッタアアアアアアアアアッ!」

いや、ヒヨコにはヒヨコなんだけど何と言うかコイツはオレンジのくちばしと足が付いた黄色いジンジャーマンに見える!

ところ変わって動管省内。

「例のヒヨコは見つかったか?」

「いえ。」

「マズいぞ。あれが違法YouTubar、特にあのケイこと場中由自が率いるイコイチャンネルの手に渡ったら。大変な事になる!」

「隊長!なぜ大変なのでありますか!?」

「とにかくアレだ!なんかこう、ヤバくてマズい事になるんだ!」

絶対分かってないでありますね…

またまた変わってぶっ壊れ荘内。

「バキン、クチャクチャ、バリッ、ボリッ。

フー、煎餅おかわりいただけるかッピ?」

「あるかぁっ!」

俺が投げたお盆はおかわりを要求したヒヨコもどきの頭で「ベイン!」という音を奏でた。

「つーわけで、図々しくどうやら三回も拾われに来たようだから拾っといたけどどうする?もしかしたら動管省の回し者かもしれないし、処分すっか?」

「な、ななななな処分?頼む、命ばかりはお助けを~ッピ!」

「ソだね。それがいいかもネ。」

「ガ、ガビーン!ちょっと、ホントにそれだけは勘弁してくれッピ!」

「まあまあま、ま。そこの二人が言っている事は冗談としてさ、とりあえずどうしてここまで来たのかの経緯を教えてくんねーか?」

ケイはいつものニマニマ顔をして尋ねた。

「ケイ、いいノ?」

「なんとなーく、心当たりがある気がするからなぁ。」

「おい鳥、嘘ついたら処分どころじゃ済まねーかんな。」

「しょ、承知したッピ。拙者の名はピョコル。天才博士によって造られた生物兵器だッピ。説明すると長くはなるが拙者が造られた経緯はというと、

お砂糖、スパイス、素敵なものをいっぱい。全部混ぜるとむっちゃかわいいヒヨコができる~、はずだった。だけど博士は間違って余計な物も入れちゃった!それは、ケミカルX!そして…」

「いや待てェ!それ完全にパワーがパフなガールズの冒頭じゃねーかァ!やっぱ処分だよ、しょ・ぶ・ん!」

「信じられぬかもしれんが、まことの事だッピ。拙者はタマゴとしてピョコル、ピョウタ、ピョスケの三個組パックで生まれ、そして孵化したんだッピ。」

「あっそ、じゃー残りの奴らはどうなったんだよ。」

「ピョウタは、「やっぱり目玉焼きはサ二ーサイドアップ(片面焼き)に限るよなぁ。」と言って…」

ピョコルは物悲しい表情でうつむいた。

「食われたんかい!そんなヤバそうなモン入ったタマゴ食わんだろ、フツー。」

ケイはより一層ニマニマしだした。

「それと、ピョスケの方はあの小中学校の自由研究でありがちな黄身と白身が逆転したゆでタマゴにされて

…アイツも美味しく頂かれたッピ。」

「そんな地味なネタを本気で面白いと思っているクソメガネ(作者)の気を疑うわそんなん!!」

「アノ黄身と白身が逆転したゆでタマゴ!?」

「そうだ!そう、あの黄身と白身が逆転したゆでタマゴだッピ!」

おっと、アホ同士波長が合ったみたいだ。

「遠心力を利用して作る黄身返しと言われるものだっけか。確か江戸時代に作り方が確立されたとかどーとかってネットで見たことあるわ。」

「そーいえばさ、さっきからケイどーして笑ってんの?」

「いや、アイツも相変わらずだなーって思ってな。」

「ヘんなノー。」

「つうかさ、天才博士のクセして今さらそんな小学生の自由研究みたいなのやんのかよ。」

「うむ。まあ天才博士にも色々あるからな。そしていろいろあって我は見事動管省の目をかいくぐり、ここまで来たってわけだッピ。」

「ふーん、そっか。

っていやまずお前に何があったんだよ!!お前の同期?の事もいいけどまずお前のことを教えて欲しかったよ!」

「まあ、そうカリカリするでない。青年よ。煮干しでも食っとけッピ。カルシウムカルシウム。」

マジで何なのコイツ。

「ガチャッ!」

「ア、アンが帰って来たっぽいネ。」

「たっだいま~。いない間みんなに迷惑かけちゃったと思ってぇ、はい、これお土産。佐賀名物のイカとぉ、これその辺のデパートで売ってた江戸時代からの伝統料理なんだって。」

「開けてイイ?」

食いモンには目がないカノンが真っ先に飛びついた。

「もちろん。」

「ガサゴソ。」

「アー、もー!この包み紙って文化、ホンッッット面倒よネ~。キレイニ取れたことないモン。」

「ビリビリビリィーーーーーーッ!パカッ。」

「ンー、あれェ?何カこれさっき話題になってたよネ。」

「え?どれどれ…」

「あっ、これは。」

「黄身返し、だな。」

「ピョスケェーーーーーーーーッ!!!」