自由ー中場(JIYU-TYUBA)TAKE5

「それで、話を元に戻すが拙者は今、動管省に追いかけられているのだッピ。」

「どうして?」

「ムショに入ってたからエイトは知らないかもだけどぉ、今の日本の自衛隊ってのは完全に動管省の言いなりだから動管省は軍事力を強めるべく、最強の生物兵器の一角であるピョコルを狙うってわけ。ぴえん。」

「そうなのか?このちんちくりんのヒヨコっぽい何かがそんなに強そうに見えねーけど。」

TAKE5

飛べない鳥はヒヨコかダチョウかキウイ辺り

「なら拙者の強さを見せてやるッピ。いざ、参る!」

ピョコルの後ろから少年漫画的なオーラが見えた気がした。

「おぉっ!なんとなくだけどそれっぽい雰囲気が出てる。」

「ピョコルウイング!(30cmの飛行)」

「次はピョコルフット!(千鳥足)」

「さらにピョコルアイ!(鳥目)」

「そしてとっておきのピョコルビーク!(ただついばむだけ)」

「どうだッピ?」

「うん、論外。」

「論外すぎて草も生えない。」

「アリエナイワ。」

「アハハハハハ!ハーハハハハハハハハ、ハーハハハ!ハー、ハー。」

なぜかアンは笑い転げている。これはきっと…感性の違いってやつだな!

「ロロが造ったにしても、こいつは信じがたい…手抜きのキメラだからテヌキメラだな。」

「う~~~~ん。」

全員の息が合った。

「ま、待った!今のは冗談だッピ。ホントはマッハ5で休まずに地球10周を飛行できるし、足だけを使って戦車をバラバラにすることだってできる。それに、5キロ先のものまで見えるし、くちばしはドリルくちばしだッピ。」

「じゃあ証拠見せてよ。」

「い、今はちょっと調子が悪くてなッピ…はは。」

「ねえ、ちょっとこれ見て。動管省がピョコルを全力で捜索中だってことがYohoo!のトップニュースになってるわ。」

「な、何だってぇ?それってもしかしたら本当に…」

「ピョコルがそれらを有している可能性はあるな。そもそもロロが喋れるような知能の高い生物兵器を造っておいて、それがこんな無用の長物(テヌキメラ)だとは思えねーんだよなあ。」

「うおい!もうちょいオブラートに包んだ言い方ってものがあるだろッピ!」

「う~ん。ところでさ、さっきから気になってたんだけどロロって一体誰なんだ?」

「ああ、俺の大学時代の同期だよ。イギリスで生物兵器を造る代わりに、合法的に動画投稿をするという約束でYouTubarをやっているんだよ。」

「イギリスにも違法YouTubarを取り締まる法律があるのか?」

「あるわよぉ。むしろイギリスは動画法が他国のそれと比べて特に厳しくって動画法の最先進国とも言われているのよ、ね~。」

「俺の知らない間にずいぶんと国の事情も変わったもんだな。」

「そうだね。ちなみアメリカは相も変わらずほとんどの州で動画法が定められていないから、それ目当てで移住した人もいるって話も聞いたことがあるよ。マジ卍だね。」

「ほ~。」

「で、ピョコルなんだけど、俺は一抹の可能性を信じてここで引き取った方がいいと思うんだ。」

「そうそう…って一抹はないだろッピ。もうちょっと信用してくれッピ!」

「一応、イコイチャンネルのマスコットにはなれそうだしいいんじゃないかな。ほら、この小説がもしメディア化した時にグッズにしやすいだろうし。」

「そうそ…ってあのクソメガヌメディア化とか狙ってんの!?現実見えてるのかッピ!?」

「それはいいとしてもにぎやかなのは大歓迎ですぅ!」

「そうそう。」

「育テバ非常食にもなりそうダシ。」

「そうそ…え?」

「皆がそこまで言うなら反対する理由なんてないよな。」

「いやちょっと待てい!非常食はないだろッピ!」

「ナンカさぁ、よく見たら肉厚にも見えるシ。」

カノンの目が光っている。食うの?アレ。

「や、やめ…」

「やめとけって。こういうのはもうちょっと育ってからにしないとさ、ニワトリは食べるけどヒヨコは食べないだろ?」

「チェッ、それもそーネ。」

「色々言いたいことはあるがとりあえず助かったッピ。」

「よし、じゃあ次回の動画のタイトルは「ケイ、ヒヨコ引き取るってよ」がいいかな。」

「どこかで聞いたことあるタイトルだッピ!!」

「どのみち、動管省の奴らが騒ぎ出すことには変わんねぇ!この鳥の動画、上げてやろうぜ!」

「てわけで、任せたよ、アン。」

「了解ですぅっ!」

「カタカタカタ、カチッ!」

カチッという音が鳴り響いてすぐにアップロードが始まった。

動管省のどっか

「で、ピョコルなんだけど、俺は可能性を信じてここで引き取った方がいいと思うん…」

「カチャッ。」

「…そうか。ピョコルはイコイチャンネルの連中の手に渡ったか。フン、それでこそ張り合いがあるってモノだ。」