自由ー中場(JIYU-TYUBA)TAKE7

俺達は今、とある埠頭の倉庫内に足を踏み出した。

「いや、闇取引でもするつもりかよおおおおおおおおおおッ!」

TAKE7

金と友だちは大切にした方がいい

「ザッ、(足音)」

「カッ!」

俺達が入ったと同時に倉庫の照明が光りだした。まぶしすぎてこっちから分かるのは五人の人影が見えるだけだ。何だこの余計な演出、予算の無駄使いじゃねーのか?と思ったその矢先、その内の一人が光の中から歩み寄って来た。

「来たか。久しぶりだなぁ、由自。いや、今はケイだったっけか?」

「ああ。」

ケイのニマニマがやけに怖い。

「ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …」

え?何か雰囲気重くない?ホントにコラボ企画オーケーしたんだよね?

「…お~い、ケイ~!違法YouTubarとして活動してるから捕まっちゃうんじゃないかって心配してたんだぜ~、ていっ!」

何だ今の「ていっ!」は!!

「いろはこそさ、最近いろはTVの視聴回数が振るわないから活動停止しないかって心配してたんだよ。」

あれ?そういや二人とも重たい雰囲気から一変して、何だ?罵り合ってる気もするけど仲が悪いってわけじゃ…無いのか?

「いいや、あれは仲が悪いように見せかけて実際には仲がいい的な雰囲気を醸し出しておいて、結局はお互いに仲がいいと悪いを兼ね備えているという構図のあらわれだよ。マジ卍すぎて草も生えない。」

何言ってんのか全然分らん。つーかTAMAの奴、当然のように頭の中読んで来てんのナニ?怖いんだけど。

「それはそうと、ケイの前にいる彼はいろはTVのリーダーのいろはこと洲戸 凛太郎(すと りんたろう)。年齢はケイと同じ28歳。ケイの幼馴染で、小さいころからずっとお互いをライバル視して勝負していたそうだ。性格はチャラチャラしているが、金に目がないため性根はもっと腐っている。スポーツ、特にサッカーが得意で「ていっ!」が口癖で隙あらば挟んでくる。二人の関係を例えて言うなら、マリオとクッパの関係みたいな感じだ。ある時は互いに戦い合って、またある時は協力し合って、そしてまたある時はスポーツとかで平和的に競い合って、みたいなのを繰り返してるんだ。」

今度は急に解説キャラにシフトした。

「そういえば俺といろはとでの勝負は俺の9999勝9999敗99分だったっけな。」

何だその超ベタな展開は!?

「お互いの苦手分野で勝負、挑みまくってたしね~、ていっ!」

さすがのチャラ男でもここまで露骨に「ていっ!」は挟まない気がする。

「今回も勝負するか?将棋とかで。」

「いーやいや、サッカーしかありえないっしょ!」

「絶対将棋!」

「サッカーやろうぜ!」

「将棋!」

「サッカー!」

「ま~た二人とも自分の得意分野押し付けようとしてるのネ。全く、二十年以上前からこんな事してんのに変わんないってゆうかー。ま、でもォ、由自がああやってありのままの由自でいるのもいろはのおかげなんだけどネ。」

「将棋だ!」

「サッカーていっ!」

「しょ・う・ぎ!」

「サッカーウェーイ!」

「おーい。」

「はいはいあとであとで!」

「あのさぁ。」

「取~り~込~み~中~!」

「アタイ等を忘れてんじゃないヨオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

「ゴツンッ!」

二人にげんこつが飛んだ。

「うん、今げんこつを飛ばしたのはキリ姐さんこと石井 佳乃(いしい よしの)。年齢は26歳で性格はスケ番のごとく豪快で曲がったこと、そして時間の無駄使いがキライ。要するに大雑把かつせっかちな性格ってことだ。特技はヨーヨーで趣味は小動物を見てほっこりすることだ。主にヨーヨーと小動物の観察日記の動画を上げているようだ。」

もうTAMAの解説キャラが板に付いてんなオイ!

「あー、キリ姐さんが切れたー。どーでもいーけど。」

「彼女はりーさこと中尾 紗梨依(なかお さりい)。年齢は21歳。極度のめんどくさがりで全くと言っていいほど人に関心がない。しかし、機械に関しては全YouTubarでもトップクラスに詳しいので、本人の機嫌次第で機械工作の動画を上げたりもしてる。マジで機嫌次第でね。それに持ち前のルックスもあって出した動画は全て50万再生はカタい、いろはTVの影の実力者だ。」

「ってーなクソキリ!殴ることはねーだろ!」

「うっせーよ全く、本っ当よくやるよな。お互いに競い合うためにおんなじスポーツやっておんなじ塾通って、果てにはお互いの得意分野でおんなじ大学に行くとか。腐れ縁とか言ってるクセにこれじゃある意味友情以上の絆があるって言っても過言じゃないわね。」

「それはない!」

ケイといろはは口をそろえて批判した。

「そういうトコとかな。」

「んんwww何だかんだ言ってケンカするほど仲が良いって事のあらわれですなwww」

論者現れやがった!!

「彼はヤオこと桐原 清一(きりはら せいいち)だ。とある宗教に所属しているらしく、独特の話し方をしているのが特徴だ。若干18歳でゲーム実況によって多くのファンを獲得している。彼のプレイスタイルは火力と耐久に大きく力を入れていて見ていて気持ちがいいと好評だ。好きな言葉はサイクル、役割、ありえない、だそうだ。」

いやその宗教、あれだろ?宗教であって宗教じゃないっつーか、役割を重んじる論者だよな。動画の開幕でやろびのうたとかいうほろびのうた歌うやつ。

「我の口調については役割論理で検索する以外ありえないwww」

「勝手に宣伝してんじゃねーよ!!」

「あ、そうだ。お~い、ミラも出ていっ!来いよ。」

「ショウチシマシタ。

トウッ!」

明らかに電子音の喋り声がきこえ、ナガレTVのメンバーの最後の一人が高台から、光の中から跳んできた。

「ずごっしゃあああぁあああっ!」

「まさかの顔面で着地!」

「これがホントのスーパーチャクチってねぇ。」

「言ってる場合か!!」