自由ー中場(JIYU-TYUBA) TAKE13

ぶっ壊れ荘内にて

「あ~、ヒマだな~。」

「ヒマッピね~。」

「ガチャッ!」

「あ、エイト。ヒマなら買い出し行ってきてよ。青田街のマツキヨでシャンプーと歯磨き粉が安売りしてるらしいのよ。私は今ビットコインで忙しいし、みんな外に出ていないからお願い。」

今さらビットコインって儲かるのか?つーか、待て。安売り!?あんだけ株やらトレードやらで毎週数億を稼いでるアンが…安売り?

TAKE13

安売りのせいで余計な物まで買いがちになるのは店の思うツボ

「よし、買った買った~。」

「洗剤とかお菓子とか…足りてる物まで買ってるけどッピな。」

「いや~、何かな。安売りってだけで購買意欲に駆られるんだよな~。」

「それじゃあ店側の思うツボじゃないかッピ。」

「それもそうなんだけど。」

何でも願いが叶うツボ

1000円

「怪しっ!ッピ。」

そこにはレジャーシートにツボが十個ほど並べられていて、見た目がいかにもなボロボロの露店商の男が座っていた。

「ずいぶんとうさん臭いツボだッピね。まさかこんなもの買うやつは…」

「買った!!」

「いたぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「あいよ、千円ね。」

「はい。」

「あ、ちょっと待てニイチャンよ。ニイチャンは運がいい。もう二個買ってけば三つで二千円にしたる。」

「いやさすがにこんなツボ三つもいらない…」

「買った!!」

「おおおおおおおおおいっ!!!!」

「こんなただのツボ三つも何に使うんだッピ。持って帰るのも置き場にも困るじゃないかッピ!」

「いや、このおじさん見た目が生活に困ってそうだったからどうしても助けたくなったのとさ、あとは動画のネタにもできそうな気がしたからさ。三つあれば笛吹いてヘビとか出したら面白そうじゃないか?」

「確信犯だった!!ッピ!」

「まあそこのヒヨコちゃんよ、いい粟あるんだけど、買ってかない?」

そのおじさんはどうやって入れたんだか上着のポケットからポケットより大きな粟の入った袋を取り出した。

「拙者はそんな物に引っかかるほど甘く無いッピよ。」

「この、金色に輝く粟、1キロ3000円でどうだ?」

「キラキラ~ッ!!(謎の演出)」

「か、買わな、買わ、くっ、うまそう。買っ、買った!ッピ!」

「ヘへへ。毎度ありぃ。」

「おっ、商い仙人。今日の品はツボかい。その様子だと相変わらず爆売れしてるみたいだな。」

「うすケイ。おかげさまでな。」

「ア キ ナ イ セ ン ニ ン!?」

「うんそう。ここの青田街で一番古くから商売やってるこの人ね。名前は俺も知らないけど。」

「仙人たるもの名前は語れぬ。」

何だコイツ!!

「でも一番古くから?俺今まで小さいころから青田街ずっと見てきたけどこんなうさん臭いヤツいなかった気がするけどなあ。」

「三十年ぐらい前から五年ぐらい前まではこの青田街の会長やってたからな。表にあんまり顔出せなかったみたいだよ。」

「会長!?」

「そ。」

「あん時は本当に世話になったな、ケイ。」

「いやいや。おかげさまでこっちもいい思いいっぱいしてますから~。」

前みたいにタダでお茶とかもろもろもらったりな。

「ねー。」

「ねー。」

「何だコイツ等。」

「急になれなれしくなるのキモいッピね。」

「んじゃ、ありがとな。仙人。っつーわけで帰っか、おまえら。」

「了解ッピ。」

「じゃあ俺、先帰ってっから。」

「え?」

ケイの表情はなぜかニマニマしてる。

「買っちゃったものはしょうがない、持って帰っか。…って重たっ!!何だこのツボ!!」

「おうニイチャン、これ一個53キロあるぞ。三つだからな、159キロだな。頑張れ。」

「ピィー、重いッピ。」

「さすがにヒヨコに一キロは重たいよな。頑張れ。」

頑張れしか言えねーのかこの役立たず仙人は!!

「それにこれもあっただろ、頑張れ。」

「マツキヨオオオオオオオオッ!!!」