自由ー中場(JIYU-TYUBA) TAKE17

前話から一日後のミーティング

「で、ダンスMVっつったけど何やればいいんだ?俺みたいなシロートじゃ歌い方も踊り方も分からないぞ。」

「そうね。順を追って説明するわね。まずMVの部分だけど歌の作詞は各自が別の誰かについて書いてもらうことになったわ。」

いきなり嫌な予感が!

TAKE17

人の長所と短所を挙げると大体短所の方が出てきやすい

「え?てことは…」

「よく言えば客観的な意見が出るってことだし、悪く言えば自分が棚に上げられたくないことが出ることもあるってことね。」

「ニマッ。」

「ニマニマッ。」

「ニマニマニマッ!」

あー、企画がケイって時点でもうダメだったんだよ、こりゃ。絶対これで昨日のアレの恨みを晴らそうって魂胆だよ。

だとすれば、

ここは絶対ケイに当たるわけにはいかない!

皆の思惑が一致したのだった。

「ほ、ほら、私達は女の子同士だからさぁ、お互いのこと書きやすいと思うんだよね。だから、ね?」

「ソ、そうよアタシ達は仲良しダカラ。」

「ぼ、僕はピョコルについて上手く書ける自信があるからさ、僕はピョコルについて書きたいな~なんテーブルクロス。」

「せ、拙者はエイトと同じ部屋なのだからエイトの良さは拙者が一番分かっているはずだッピ。」

「お、俺はいつもゲームの対戦に付き合ってくれてるからお礼にTAMAのことを書きたいんだよなぁ。」

「おいおい、みんな遠慮するなって。今俺だけハブった分も考慮して最高の歌詞書いてやるからさあ。」

もはやケイはニマニマをかる~く通り越したゲスい笑顔を浮かべている。

「そ、そうだ!まずはさ、各々の曲のジャンルから決めない?」

「曲のジャンル?」

「そう!例えばエイトはロック、ピョコルはポップスとかそういう感じね。」

「それを一つの曲としてまとめんのか?作曲するカノン側からするとかなり大変じゃね?」

「大丈夫ヨ。時間ハ一週間ほどもらってるから本腰入れて取り組めば何とかなるワ。」

「頼もしいな。」

「じゃあ決めていきましょうか。」

「ジャンルはこの六つよ。」

ポップス

ロック

ヘビメタ

ラップ

演歌

ジャズ

「この中から各自一つずつ選んでもらいたいのよ。」

「…なるほどな。この中だと動画的に面白そうなのはヘビメタ辺りかな。」

「じゃ、エイトはヘビメタね。しっかり頭上下に振るのよ。」

「は?」

「よし、みんなで残りの五つ決めようか。」

「おい、俺の意見は無視かよ…」

「ヘビメタが面白そうなんでしょ、だったら面白くするためなら何でもするエイトしか適任者はいないじゃないの。」

「うっ、なんも言い返せねぇ。」

「アタシはポップスがいいナ。」

「拙者は演歌を歌うとするか。」

「じゃあ僕はロックにスルメイカ。」

「ラップならケイでもできるんじゃない?音程を気にするようなジャンルじゃないし、リズムオンチを直すのは今からでも間に合いそうよね。」

「ラップかぁ。」

なんかニマニマしだしたぞ。

「で、私はジャズね…」

「さあ、各々の歌詞の担当を決めようかぁ!」

もう待ってましたとばかりにケイが口を挟んだ。

ニマニマの原因それかいっ!!

「でな、今ここに箱と紙切れが六つある。これに各自が名前を書いて入れて最後に紙を入れる人が自分の紙を入れる前に一枚引く。そして自分の紙を入れる。そうして名前を引かれた人から順番に紙を引いていけば自分の紙を引くことなく全員の割り当てが決まるって仕組みだ。これならば不正もないだろ?」

「…ケイにしてはめずらしくまともなやり方ね。いつもそうすればいいのに。」

「まあそういうなって。」

「アタシから引いてもイイ?」

「OK。」

「エット、コレ!!」

紙に書かれていたのはピョコルだった。

「ピョコルネ、今まで長所っていう長所を感じたことない気がするけど頑張ってミルヨ!」

「な、ナチュラルに貶された…

次は拙者か。…これだ!」

「おっ、私ね。下手なこと書いたら許さないんだからねっ!

…ええっと、じゃあこれかな。」

紙にはMr.Tと書かれていた。

「えっと、誰だ?」

「僕だヨルムンガンド。」

「ふざけんなテメー!紛らわしいマネしてんじゃねーよ!」

「まあまあそう怒らずに。」

こっちはケイに引かれるリスクあるから気が気じゃねーんだよ。

「じゃあ僕はこれにしよウーキー。」

頼む…ここでカノンだけは絶対引くな…

「ア!アタシネ!」

「うおおおおおおおおおおおおおおい!」

「これで二枚余ったからケイはエイトを、エイトはケイのを書けばちょうどいいわね。クジなんだから恨みっこなしよ。」

「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおっ!」