自由ー中場(JIYU-TYUBA) TAKE30

いつものミーティング

「ねえみんな、いきなりだけど小説家になろう!」

「へ?」

「は?」

「はい、じゃこれタイプライターと紙。」

「古いわ!!」

TAKE30

異世界に転生してもチート的な能力は手に入らない

十分後

「よし、こんなモンかな。」

「ケイ、ずいぶん早いわね。」

「どれどれ…」

永遠の紅き命

「ん?ケイの割にはずいぶんと中二チックなタイトルだな。」

時は中世ヨーロッパ、この物語は一人の貴婦人がひたすらに美を追い求めたノンフィクションである。

「中世のノンフィクションってことは歴史ものとみるのがよさそうだッピな。」

「紅、中世、貴婦人…ちょっと私一旦席を外すことにするわ。みんなは読んでていいから。」

「どうしたんだろ、アンの奴。体調悪そうな感じじゃなかったけどな。」

彼女の名はエリザベート。名家の出身で女王気質の傲慢な性格であり、かなりの癇癪持ちではありながらも、嫁いだ後には田舎の肩身の狭い城で引きこもるようになってしまうのでした。そんな娯楽もない中で彼女が研究しだしたのが美への探求でした。とある日、従者の若い娘が彼女の髪をとかしたときに髪がくしに絡まってしまったのでした。それを引っ張ってしまった従者に憤慨し、エリザベートは従者の胸を髪留めで何度にも渡って突き刺して…」

「オォイ!何だコレェ!そういうグロい系みたいなYouTubaでアップロードできなさそうな内容はアウトだろおおおおっ!」

「エイトならここら辺で止めてくれるって信じてたぜ、こっから先はもっとエグくなるからな。」

いつものニマニマもなかなかだがこのフローラルな香りが漂ってきそうな優しい笑顔もかなりキッツイ。

「何ちょっとあったかい雰囲気出してフォローしてんだよ。しかもこれ以上ヤバいのがあるとかどうとかってのは聞いてねーんだよ。」

「…終わった?」

「アンか。もう読まんわ、アレは。」

「どうせエリザベート・バートリーの話でしょ。私ああいうグロいのダメなのよ。小説なんかだと想像でいくらでも補填できるからより一層生々しい描写が浮かんできそうだし。」

「ソウダ!アタシのでちょっと気分転換シヨウヨ。」

「期待してねーけどまあケイのよりは数百倍マシだろうな。えっと、どれどれ…」

最期に黄昏の夕日を観た吾輩は泡沫のように断絶され消え征く

「んじゃコリャ!?カノンオマエいつからこんなボキャブラリー豊富になったんだよ!いつもはカタコトの日本語しか喋ってねーだろ!?」

「カタコトハ、キャラ付けヨ。」

「ここで衝撃のカミングアウトォ!?」

「マアいいから読んでミテ。」

「…あのなぁ。」

吾輩の死はそれほど遠くはない。元より人間は永劫生きることはできぬ、その上に自身の命を縮めようとする。大きなものであれば戦争、小さなものであれば生活習慣というように多岐にわたって自身の命を粗末に扱う。人間は愚かな生き物だ、そう思い始めたのは…

「重いわ!どうしてこうなった!?オマエそういうキャラじゃねーだろ!?」

「コレモ、キャラ付けヨ。」

「ムチャ言ってんじゃねーよ!」

「パカッ。」

「エイトよ、実は拙者はくちばしを取り外せる。」

「なぜこのタイミングで言う!?」