C.A.N JOB3

「捜索を始める前にカリスマ、コレだ。」

「…地コーク。」

「なんだか地ビールみたいですね。」

「前にもおんなじコト聞いたような…」

JOB3

思いがけぬ奇跡

「ゴクッ、ゴクッ!」

「ゴォッ!」

「え?カリスマさんの、服が、変わった?」

「俺も良く分からんけどコイツと契約すると地獄の力が使えて、それでこうなんだとよ。」

「んなこたぁいいからさっさとチャームの両親を見つけるぞ!カリスマ、お前の持ってる鏡を使うからキッチリ用意しとけ!」

「おうよ!…って言ってもコレって受け取ったはいいけどどうやって使うかとかって一切教えてもらってないよな。」

「鏡の使い方を考えればなんとなく察せるだろノータリン!ま、教えてやるけどさ、実はこの鏡は不満の大きさ、純度、矛先、原因なんかをカタマリとして見透かすコトができる優れモノなんだゼ☆…限度はあるケド。」

「ノータリンは余計なんだよ。でもよ、だとすれば一瞬でチャームの両親を見つけられるって事だろ?」

「その通り!不満ってのは結局イッチバン大きいトコに収束すっからな!チャームの知り合いを鏡で映し出して、そこから見える不満のカタマリを追っていけばいいワケだ。でもな、その不満のカタマリってのはなぜかその不満を持った本人にしか見えないからどうしても本人、今回はチャームを地獄に連れて行かないといけないって欠点もあるんだ。」

「なるほど、だから連れてきたのか。」

「まあ戻るときに地獄についての記憶は消すけどな、シゴトニン以外に知られるとどうやら色々とマズいらしくて。」

「いやちょっと待て!記憶を消すって?どうやって?」

「オイラは地獄の番犬だゼ☆方法は教えられねぇけどニンゲン一人の記憶を消すぐらいはどうってことねぇよ!」

「怖ェよ。」

「何を今さら、オマエが今関わってんのはニンゲンだとかそんな甘っちょろいものじゃねーんだからよ!さあチャーム!あの鏡を覗いて、より大きな不満のカタマリを見つけるんだ。」

…より大きな、そしてより純度の高い不満。ひとり、ふたりとたどっていけば…

「…見つかりません。ここから不満のカタマリが出ていることは間違いないはずなんですけど。」

「ホントにここが不満のカタマリを作る不満源てヤツなのか?俺からは鏡越しでも何にも見えねーけど。」

「不満源からでるカタマリが一番大きいことは間違いないからな。そこに誰もいないとなれば、そーいうコトだ。」

「うう…」

「ったくとんだムダ足だったな、さっさと帰るゼ☆」

「おい!その言い方はねーだろ!いくら何でもかわいそうだっての!」

「かわいそう?別にそう思うのは構わねーけど、そう思ったトコロでカリスマに何かできんのか?」

「…それは。」

「だろ?もうこうなった以上は手遅れだ。地獄の力をもってしても死んだヤツをよみがえらせるなんてのはムリだ。もうできることはチャームの両親に関する記憶を抹消するコトだけだな。」

「え…」

「はあ!?キャン、てめぇ人のコトを何だと思ってんだ!今まで作り上げてきた数々の思い出を踏みにじるってどう考えたってどうかしてんだろーが!!」

「知らねーよ、本人が一番悲しまずにするんだったらそうすんのが一番だろ。」

「っざけんなよ、オイ!…っざけんなよおおおおおっ!!」

「ブオッ!」

「カリスマさんから、何かオーラみたいなのが出てきて…」

「へえ、思ったよりも見込みあんじゃねーか。赤く光るオーラ、コイツは、口寄せだな。」

「ごめんな、チャーム。両親は見つけらんなかったけど今、会わせてやるかんな!

…ニャン。」

「ニャンと?センスねー冗談だなぁ、全く。」

「いや、間違いないです。この鳴き声は、三年前まで八年間ほど私が飼っていた猫です。エイブル、よく来てくれました。」

「…まあいきなり人の口寄せはムリだったか。」

「そんなコトはない。口寄せした霊をこうやって外に出せる奴なんてのは初めて見た。」

「ば、化けネコ!?あわわ…」

「エイブル!?どうして?」

「死んで気付いた時にはそこのイヌのように地獄の獣になってた。でもおかげさまでもう一度お世話になれそうだ。だからセリカ、契約してくれないか?」

「イヌじゃねーっつの!」

「…そう。でも今の私にできることなんて、自分一人でさえも暮らしていけるか分からないから。」

「なぁるほど。だったらコイツ等んトコにお世話になればいいんじゃないか?社内に社長とペットしかいないなんてもってのほかだ。」

「はぁ!?コッチだって今収入なくてカッツカツなのに、そんなのムリに決まってんだろーが!」

「まーいーんじゃないのか?こりゃあ思いがけぬ奇跡の産物だからな。戦力が増えてソンはしないはずだしオイラは賛成だゼ☆」

「依頼が来ない時点で大損なんだけどな…」

「いいから、細かいコトは気にするな。はい、セリカ。これが契約の証の鏡と鈴だニャン。鏡に血を一滴垂らせば契約完了だニャン。」

「うん。」

チャームは言われた通り、できていた頬のカサブタをはがして鏡に血を垂らした。

「ゴウッ!」

「え…なに?」

「セリカ、似合ってるニャン。」

「なるほど、さしずめシャムネコ(猫又)をめでる女王といったトコロか。」

「…てなるとキャンの食費を減らさないといけねーか。」

「オイちょっと待て、オイラの食費、食費だけは勘弁してくれって!」

「だって俺はもうキャンのために食費削ってるし、そうするしかねーじゃん。」

「わああ、食費、食費だけは~!!」

こうして俺達に新しい仲間が増えた。

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