自由ー中場(JIYU-TYUBA) TAKE39

「ゴトン。」

さて、今テーブルの上に装飾品のように美しい柄の皿とそれに全くもって似つかわしくない物体Xが置かれたワケだが、…こんなYouTubaに動画上げたら即刻アカウントまで消されそうなの食えるわけがねぇ。ピョコルのセンスの良さとアンのセンスの悪さがミスマッチしていて、余計にひどく感じる。これは多分プラスとマイナスをかけたらマイナスになるのと同じ理論だろうな。

TAKE39

料理対決は大体違うもの出されてどっちが美味いかを決める

「一応聞いておくけどコレ、何?」

まあそうなるよな。俺もこの物体Xが魚とジャガイモからできているとは天地がひっくり返っても思えない。

「フィッシュアンドチップス。」

「ウッソだろこんなん!!」

「マサカとは思うけどアタシ達がコレ食べるノ?」

「そうだけど…」

「オイピョコル!お前までいてこれはねーだろ!ったく、どんな調理法でこんなになんだよ!」

「拙者は揚げるところまでやったのだが、その後の味付けをアンに任せたんだッピ。そうしたらこう…」

「失礼ね!私はただ仕上げとして好物のイチゴジャムと醤油とハッピーパウダーを入れて、食感をトロトロにするために圧力鍋を使っただけよ!」

「オモックソそれが原因じゃねーか!!アンがやったことがフィッシュアンドチップスの全てを台無しにしてんだよ!」

「え?そうなの?」

今まで何食ってきたらこんなになんのか…

「ねー、そんなゴミは捨ててこっち食べない?」

「こっちもできた四連射撃。」

「ゴミ…」

まあアレは確かに食いモンじゃねーし否定はできないな。とはいえあっちもあっちで期待はしてねーんだけどな。

「おあがりよ!」

そのセリフは服がはだけるフラグになるからやめようか。小説だから服が脱げようがあんまカンケーねーけどな。

「エットこれは、ゼリーの中にウナギの蒲焼きが入ってるみたいダケド。」

「パクッ。」

「…コレハ!

アーニートってヒマすぎるなー、こんな日はYouTubaのコメント欄で批判コメでも書いて健全な視聴者たちを煽りにいくカー。」

「ん?カノンがいきなりニートみたいな格好に!?」

「なるほど分かったッピ、これはニート=ヒマ、つまり暇つぶしってことだッピ!」

「いや何を言ってんだかさっぱりなんだが。」

「つまりは暇つぶしとひつまぶしのダジャレだッピ。」

「何だそのパンで世界を救ったマンガみたいな展開は!!」

「そんなのいーからエイトも食べてよ。」

「え?ああ、そうだな。」

「パクッ。」

「あーもう働きたくねー!もう一生画面の前で暇つぶししてるわー。」

「うーん、オマージュとしては悪くないけど味について一切語ってくれないのがちょっと、なんかねー。」

「オマエらこんなことやらしといてマジで何なの!?」

「マーマー、結果は言うまでもないからいいじゃナイ。」

「ええっ!?私たちの料理食べてくれないの!?」

「食うか!んなの。」

「食べてみたらおいしいかもしれないじゃない。」

「ねー、絶対ねーわ!断言していい。」

「そう言わずに一口だけでも食べてって。」

アンは俺の口に物体Xをぶち込んだ。

「…モガガ。

うっ、

うっ、

うっ、

お”え”え”え”え”え”え”!」

物体Xを食べたエイトは本当に三日三晩吐き続けたという。