自由ー中場(JIYU-TYUBA) TAKE40

ムムッ!あそこに重い荷物を持ったおばあさんを発見!…これは、手伝うしかないよな!!

「おばあさ~ん!荷物持ちますよ!!」

俺の名前は去川 映叶(さるかわ えいと)、YouTubarをやっている。これでもかつてはチャンネル登録者数が100万人を超えてたんだぜ。今じゃ数千人程度なんだけどな。特技は体を動かすこと全般、趣味はゲームと…

人助け!!

「ああ、家すぐそこだからええよ、大丈夫よ。」

TAKE40

ここに来てやっとまともな人物紹介回

ま、まあこういうときもあるわな。まだまだ元気いっぱいで体が弱そうって思われたくない老人の方々だっているワケだし。ってあっ、そうだ。これから最近できたアスレチックに行くところだったんだ!確か予約が2時からだったから…あと5分しかねーじゃん!急がなきゃ!!

「あのう…」

「はい?」

振り向いた先には大声を出して泣いている女の子とその母親らしき人物がいた。

「子供の風船が木に引っかかったみたいで、運動能力自慢のエイトさんなら取れるかと思いまして…」

どうする?結構高いトコにあるから取ってあげるとなると予約しているアスレチックに間に合わなくなるし…確かにあのアスレチックの製作者にはいつも懇意にしてもらってるけどさすがに遅刻はマズいし…

「って、んなコト考えるよりもまずカラダ動かさんかい!!」

さっさと風船取って行けばいいだけの話じゃないか!!優先すべきは今困っている人を助けることだ。自分より、みんなだろ?

「ほらよ。」

「わー、ありがとー!」

「いいっていいって。」

こんな事言いつつ正直感謝の言葉を貰うときがイチバンの楽しみだったりする。単純だな、俺。ってそうこう言ってる場合じゃない!もう間に合わないかもしれないけど急ごう!元はと言えば何回も行った場所だからといって30分前に着くような時間に出発した俺が悪いしな。何があるか分からない以上、これからはハプニングやトラブルに備えて一時間前ぐらいに着くようにしないとダメだな、困ってる人たちのためなら時間がいくらあっても足りないぐらいだし。

アスレチック受付

「あ~、2分遅刻だね~。来てくれたのはありがたいけど待ってる人がいるから明日以降にしてくれる?」

ま、まあこういうときもあるわな。アスレチックなんかは明日以降、機会のある日にまた行けばいい。でも人助けはその日その時にしかできない一期一会のできごとだからしょうがないさ。

そもそも俺がここまでして人助けをするようになった理由ってのは親の影響が大きい。親は両親共々平日は朝から晩まで働いていたクセに土日はひたすらボランティアに励んでいた。ただ人を助けるだけじゃなくって社会になるべく貢献しようって家訓で育ち、小さいころからそれにずっと巻き込まれていた俺はこうなってしまったワケだ。最も、最初はいやいやだったけど何度もボランティアを繰り返すごとに楽しさを見出して趣味に変わっていったってのは恥ずかしくてあんま人には言えねーんだけどな。

そんなある日、俺はYouTubarを始めた。目的が目的だったから広告も付けずにやったのがかえって良かったようだ。最初は気軽にできるゲーム実況から始めたんだが、イケボだとかどうとか言われて瞬く間に人気になった。そのうちにくだらない企画とかもやりだしたら顔と声のギャップが面白いとかって言われてこれもまたヒットした。だけどそんな俺を悲劇が襲ったんだ。それが動画法だった。当時国内でトップクラスのチャンネル登録者数だった俺は真っ先に政府から目をつけられてタイホされた。その前に上げた一本の動画を最後に俺のYouTubar活動は終わりを告げると思ってたけど出署後すぐにケイに誘われた。まさかその最後の一本が人一人の人生を変えていたなんて思いもよらなかったけど、俺は快く(?)ケイの誘いを受け入れた。こんな法律があっていいワケがないってずっと思ってたのもあったし、何よりもメンバーみんなの動画法に対する意識も高かった。こうして俺はまたYouTubarとして生きることを決めたんだ。

※次回から久々に本編ストーリーが進みます。

「次回予告挿むな!!」